【SDGs 4.質の高い教育をみんなに】コロナショックで世界で5人に1人の子どもが学校に行けない【日本でも教育格差が問題】

SDGs

コロナショックの影響で日本でも2020年3月〜5月に小学校・中学校・高校の休校がありましたが、世界では11月になり再び休校が増え、2020年12月1日現在で5人に1人が学校に通えていません。

引用:ユニセフ「新型コロナ教育危機 世界の休校、11月に再び急増5人に1人が学校に通えず」

貧困による教育格差がある国では、学校に子供たちが通えないと「勉強ができないだけの問題」ではなく、学校給食などの支援システムが受けられなくなり、栄養不足になる懸念があります。

 子どもたちが学校に通えない期間が長ければ長いほど、学校を退学してしまうリスクが高まります。そして、女の子は、食料などの物資と引き替えに性行為を要求されたり、児童婚を強いられたりするリスクに直面します。

引用:ユニセフ「新型コロナウイルス休校で40%の給食を逃す子どもたちに迫る栄養危機

今回はSDGsの目標4つめは「質の高い教育をみんなに」です。

そのまえにSDGsをおさらいすると

Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を略してSDGs(エスディージーズ)といいます。

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会の共通目標で2030年の達成を目指しています。

SDGsは「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されています。

17の目標はこちら

このブログではシリーズでSDGsをまとめています。前回は【SDGs 3.すべての人に健康と福祉を】5年前にビル・ゲイツが危惧していたアウトブレイク【ワクチン不平等問題】でした。

今回は4つめの目標「質の高い教育をみんなに」についてまとめます。

学校に行けないと何が問題なのか

2018年、約2億6000万人の子供たちがまだ学校に通っていませんでした。これはその年齢層の世界人口のほぼ5分の1です。学校に通えていない子どもの半数以上は、サハラ以南アフリカで暮らしています。

引用:国連「目標4:質の高い教育をみんなに」

貧困国の子どもたちが学校に行けないと、様々な問題に直面します。

学校給食や栄養管理プログラムが受けられない

学校給食は、多くの子どもたちにとって毎日の栄養面を支える生命線です。

 17カ国のデータによると、一部の国では15~19歳の青少年の最大3分の2が低体重でした。また、南アジアの10代の少女の半数以上が貧血でした。

引用:ユニセフ「新型コロナウイルス休校で40%の給食を逃す子どもたちに迫る栄養危機

コロナショックとなり学校閉鎖が長期間続き、もっと深刻に子どもたちが栄養不足になっています。

学校に行かないと貧困から抜け出せない

基礎的な知識がないと条件の良い仕事につくことが難しくなり、貧困から抜け出せなくなります。

また、貧困国で問題になっているAIDSの主要感染経路「性行為による感染」「血液を介しての感染」「母親から乳児への母子感染」の3つです。AIDSは知識がなく感染が広がっているので、対策するためには「教育」と連動しています。

世界の識字率

識字は「読み書きができる能力」で、ユネスコでは「日常生活で用いられる簡単で短い文章を理解して読み書きできる」を基準としています。

成人の識字率は、2011 〜2016年の世界平均で78%ですが、後発開発途上国だけで見ると63%にまで低下します。

引用:ワールドヴィジョン

日本はほとんどの人が文字が読めるのでイメージがつきづらいですが

文字が読めないと「仕事が選べない」「公共サービスが正しく理解できない」「薬など注意事項が読めないので命の危険がある」といった問題があります。

女性の教育問題

「女の子だから学校に通えない」世界には学校(小学校・中学校・高校)に通うことができない女の子が約1億3200万人います。

引用:ワールドヴィジョン

女の子が学校に行けない理由は

貧困の家庭では教育は男の子が優先され、女の子は家事労働に従事

5~14歳で週に21時間以上、家事労働を行っている女の子は、3400万人いるというデータがあります。サハラ以南のアフリカでは、家庭用の水くみ労働の71%を女性や女の子が担っています。

世界では結婚や出産を18歳未満で経験する女の子がいます。

妊娠した場合、学校に通えていても途中で中退せざるを得なくなるケースもあります。未成年の女の子が出産をすることは、教育の機会を失うだけでなく、命を落とすリスクも高くなります。毎年、思春期の女の子7万人が、妊娠や出産の合併症によって命を落としているというデータがあります。

通学路が危険であることや、女子トイレがないこと、学校内での差別、女子教員の不足

アフリカの南スーダンでは、生理用品が手に入らないこともあり、月経中の女の子は学校に行くことが難しいのです。

日本の教育格差問題

「教育格差」は学習機会の有無や学力の高低のような結果の差ではなく、子ども本人に変えることができない初期条件である「生まれ」に関連があることを意味します。

引用:NHK教育白書 新型コロナが突きつけた「教育格差」

「生まれ」とは出身家庭の社会経済的地位と出身地域があり、親の学歴・世帯収入・職業などで構成されていて、高いほど子どもの教育にとって有利な条件なのだそうです。

ここまで知って「子どものころ貧乏だった私」としては「一概に言えないのでは?」とか「だから何なんだ」といったネガティブな反応をしてしまいます。

詳しくは【SDGs 1.貧困をなくそう】日本では相対的貧困が問題【私も子どものころ貧乏でした】をご覧ください。

恵まれない家庭や地方出身でも社会的な成功を収める人たちはいますが、日本全体を対象とする調査から浮かび上がる全体の傾向として、「生まれ」によって人生の可能性が制限されてきた実態があるとのこと。

コロナ禍で自宅で学習をする場合、ICT(情報通信技術)環境が家庭によって違うためここでも「教育格差」が生まれます。

日本の場合、ICT環境がない家庭との公平性を気にすることで遠隔学習が進まないのですが、根本的な問題の解決になりません。

日本の子どもの場合はすべての「子どもにICT環境を」なのかもしれません。

その場合は学校のあり方も見直す必要があります。

全ての子どもが「良質な教育を社会経済的地位と出身地域に関係なく受けられれば」日本の学力が上がっていきます。

とはいえ、私の子どもころのように働かない父親が酒を飲んでいる家庭環境では子どもの集中力がなくなるので、サテライト教室が必要になりますね。

世界の教育格差についてはユネスコ(国際連合教育科学文化機関)NGO団体として連携をしている、公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟で寄付ができます。

毎月は1,000円からで寄付による税控除があるのでご活用ください。

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