従業員を奴隷のように扱う、ブラック企業で働いた経験から
10年前に「サラリーマンを辞めて起業する!」と強く思いました。
その2年後にサラリーマンを辞め、法人を設立したのですが
私の場合は個人事業主の時代は無く、退職した3ヶ月後に法人登記をしました。
最近、橘玲さんの著書「貧乏はお金持ち(2011年刊)」に出会い
まさに私が思っていたことが書かれていて、会社をつくった当時にこの本は読んでいなかったけど、法人化して8年経ち、無意識に実践していたことに驚きました。
今となってはIT業界を中心にフリーランスで仕事が取れる仕組みができましたが、
8年前はフリーランスで仕事を取る方法はすごく狭かったです。
コロナショックで働き方が見直され、会社に属さない働き方が注目されています。
私の経験も織り交ぜながら、マイクロ法人やフリーエージェントについてまとめます。
マイクロ法人とは?
「マイクロ法人」とは独立して自分だけの会社を起こすことです。いわゆる一人社長の会社ですね。
旧商法ではマイクロ法人は有限会社でしか認められませんでしたが、
今では一人で株式会社を設立することができます。
会社を作ることで、個人とは異なるもうひとつの人格(法人格)が手に入ります。
この感覚は実際に会社を起こすとわかりますが、会社から見たときに私の役員報酬はいくらにしようか?とか、私の借りているマンションで仕事をしているから、家賃の半分は会社の経費にしようとか、登場人物は私しかいないのに、ひとり取締役会を開催して議事録を作ったりすることもあります。
例えば年収が1,000万円だったとすると、サラリーマンの時は全て会社に社会保険料や税金を差し引いた手取り給料をもらっていましたが、マイクロ法人の場合だと考え方が変わります。
1,000万円のうち会社に必要な経費と私の報酬は分けて考えるため、サラリーマンの時は家賃は当然100%自腹で払っていましたが、自宅で仕事をするので半分は家賃を会社の経費として計上することができます。
なぜ経費として計上するかというと、節税効果があるからです。
また、私の報酬も毎年自由に決められるので(役員報酬の変更は期首から3か月以内)状況に合わせて変更をすることで、私の所得税や住民税、社会保険料も少なくすることができます。
私の場合はそんなことを知らずに、脱サラしてすぐに法人化しました。
理由は「サラリーマンに戻らないため」と
「新しく起業したことを名詞代わりに営業しよう」と思ったことです。
失業保険は職業訓練校(WEB制作)に通っていた3ヶ月までで終了し、
ハローワークに開業届を提出することで、半年くらい残っていた失業手当の一部を給付してもらえるメリットもありましたが、後戻りしないという覚悟の方が大きかったです。
米国では4人に1人はフリーエージェント!
会社に雇われない生き方を選択した人たちを「フリーエージェント」と言います。
似たような言葉で「フリーランス」がありますが、
「フリーランス」とは「働き方」や「契約の仕方」のことなので、
「フリーランスの人=フリーエージェント」と考えたらわかりやすくなります。
1980年代以降、欧米など先進諸国では増え続ける終業形態で、労働市場の流動化が進んだ米国では全就業者数の4分の1、約3,300万人がフリーエージェントです。
サラリーマンはすべてのリスクを会社という一点に集中させているが、フリーエージェントは収入源を複数にしてリスクを分散しています。
速いスピードで変わっていく不確実性の高い現代においては、リスクを分散しているフリーエージェントが見直されています。
橘玲さんの著書「貧乏はお金持ち」ではフリーエージェントで法人化することのメリットを紹介しています。
ただ、フリーエージェントで独立するためには自ら仕事を作り出さないとなりません。
現在はIT業界を中心にフリーランス案件の仕事を紹介するサービスがありますが、私がフリーランスで働き始めた8年前は、仕事は自力で探さないとならない時代でした。
自分一人で契約交渉をするので、企業によっては業務委託契約書を交わすこともなく仕事を依頼され、後から条件を変更されるようなこともありました。
サラリーマンの場合は簡単に解雇ができませんが、フリーランスの場合は仕事が認められないと、数ヶ月で契約終了になります。
私がお世話になっているフリーランス案件を紹介する会社では、平均的な契約期間は半年くらいだと言っていました。
それは求人する企業から契約終了を依頼する場合もあれば、働く人の都合で終了させる場合もあるそうです。
その状況を「不安定で地獄」だと思うか、「より自分が成果がさせる仕事を探そう!」と思うかで、フリーランスで働くことに向いているかどうか決まると思います。
私の場合は半年だと短いと思いますが、1年単位でキャリアアップを目指したいのでフリーランスで働く方が向いていると思います。
非正規社員は不幸で、正社員は幸せなのか?
非正規社員とは正社員以外の働き方のことです。
正社員以外なので派遣社員、契約社員、パート・アルバイト、臨時社員、嘱託社員、業務委託契約など様々な働き方があります。
格差社会の象徴として、社会的弱者の様に言われる非正規社員ですが本当にそうなのでしょうか?
橘玲さんは多くの著書やブログで正社員の社会保険料の高さを指摘しています。
「人生の大きな買い物としてマイホーム、マイカー、生命保険が挙げられますが、じつは「最大の買い物」は税・社会保険料なのです。」
「サラリーマン(男性)の生涯賃金を3~4億円とすると、社会保険料率は賃金の30%ですから、年金と健康・介護保険料として9000万~1億2000万円を支払っていることになります。もちろんこれは概算で、保険料には上限があり退職金に保険料はかかりませんが、それでもサラリーマンが生涯に1億円ちかい保険料を日本国に納めていることはまちがいありません。」
給料の3割も徴収されるのに「頑張って働いたひとほど報われない」社会保険の仕組み【橘玲の日々刻々】
正社員を辞め、会社との雇用契約を業務委託契約に変えて、マイクロ法人を設立することで、サラリーマンの「最大の買い物」である税・社会保険料にメスを入れることができます。
私は正社員も派遣社員も経験がありますが、派遣社員は正社員と比べると時給なので毎月の給与が不安定ので正社員になるメリットはありますが、業務委託契約の場合は正社員よりも節税効果があるので、一概に正社員が幸せとは言えない印象です。
正社員は無期雇用契約なので、企業は簡単に契約を終了できません。
その制度のせいで雇用は守られていますが、企業にとっては負担になってしまう場合があります。
企業の寿命は30年とか言われていますが、正社員として転職せずに働き続けることは働く方も雇う方もリスクなのかもしれません。
非正規社員は不幸で正社員は幸せといった考え方はやめた方が良いと思います。
これからは多様な働き方が当たり前の時代です。
好きな仕事を時代に合わせて柔軟に選んだ方が幸せなんだと私は思います。
貧乏はお金持ち
橘玲さんの著書「貧乏はお金持ち」ではサラリーマンという生き方を否定はしていません。世の中に蔓延する「社畜礼讃」が薄気味悪いだけだ。といっています。
非正規社員は企業だけが一方的に有利な雇用形態ではなく、労働者は好きなときに好きな仕事をする自由を確保でき、能力次第では正社員より高い報酬が支払われる。
すべてのリスクを会社という一点に集中させる生き方よりも、一人ひとりが「自由に生きるための戦略」を持つことが大切だといっています。
マイクロ法人をつくれば、ひとはビンボーになる。そしてそれが、お金持ちへの第一歩だ。そのうえ、”雇われない生き方“を選択すれば、クビになることもない。
確かに私も同意します。法人化してから正社員の時の年収よりも下がりましたが、結果として正社員時代の倍は稼げる様になりました。
私の場合は軌道に乗るまで7年かかり、コロナの影響も受けていますがそれでも正社員で働いていた時と比べて自由で幸せです。
橘玲さんの著書「貧乏はお金持ち」を読むまえに、下記の要約チャンネルを見ることをおすすめします。
これを見て面白いと思ったら書籍も読んでみてくださいね。