世界では飢餓に苦しむ人が6.9億人、太りすぎな人が19億人、そのうち6.5億人は肥満です。
先進国を中心とした社会では食料の過剰生産が行われ、食べきれない食料を捨てていますが、飢餓で苦しむ地域には食料が足りません。
とても不公平です。
この問題をSDGsでは「飢餓をゼロに」で提言をしています。
そのまえにSDGsをおさらいすると
Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を略してSDGs(エスディージーズ)といいます。
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会の共通目標で2030年の達成を目指しています。
SDGsは「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されています。
17の目標はこちら
このブログではシリーズでSDGsをまとめています。前回は【SDGs 1.貧困をなくそう】日本では相対的貧困が問題【私も子どものころ貧乏でした】でした。
今回は2つめの目標「飢餓をゼロに」についてまとめます。
「飢餓」の原因とは
17の目標の2つめは「飢餓をゼロに」です。
6億9千万人近くが飢えています。これは世界人口の8.9%で、1年で1000万人、5年で6000万人増加しています。
出典:国連「目標2:飢餓ゼロ」
世界の栄養不足の大部分である3億8100万人は、アジアで発見されています。2億5000万人以上がアフリカに住んでおり、栄養不足の数は世界のどこよりも急速に増加しています。
飢餓の原因は「気候変動による極端な気象現象」「紛争」です。
「気候変動による極端な気象現象」について
パキスタンでは、大雨により、農地を浸水させ農作物に壊滅的な被害を与えるほどの大洪水が引き起こされ、1千万人が食糧支援を必要とする状態に陥った。
ロシアの干ばつは、小麦の収穫量の著しい減少を引き起こし、国際市場における小麦の価格を上昇させ、貧しい国の人々は家族のために必要な食糧を買うことすら難しい状況となった。
引用:国連WFP「気候変動~飢餓を悪化させる厳しい現実」
「紛争」について
国連安全保障理事会への食料危機についての最新報告は、以下の16カ国と国境をまたぐチャド湖周辺地域について言及しています。
アフガニスタン、ブルンジ、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ギニア・ビサウ、ハイチ、イラク、レバノンのシリア難民、リベリア、マリ、ソマリア、南スーダン、スーダン、シリア、ウクライナ、イエメン(アルファベット順)
引用:国連WFP「深刻化する紛争地域の飢餓」
飢餓と栄養不良の違い
飢餓とは長期間にわたり食べられず栄養不足となり生存と生活が困難になっている状態。
栄養不良とは単に量が不足しているということではなく、必要な栄養が不足している状態。太りすぎや肥満も含まれます。
人々の食べるもの、特に子供が食べるものは栄養のあるものでなくてはなりません。
しかし大きな障壁は、大多数の家族にとって栄養のある食べ物は高価で、健康的な食事も入手しやすい価格ではないことです。
出典:国連WFP「飢餓と栄養不良の増加傾向続く、2030年までに飢餓ゼロの達成が危うい状況に
健康的な食事は、国際的な貧困の基準値である1日当たり1.90ドルをはるかに上回ります。最も安価な健康的な食事でも、空腹を満たすでんぷんのみの食事の価格の5倍となっています。栄養価の高い乳製品、果物、野菜とタンパク質に富んだ食べ物(植物性および動物性タンパク質)は世界的に最も高価な食品群です。
2019年、5歳未満の4分の1から3分の1(1億9100万人)が、発育不良や衰弱で、低身長すぎたり痩せすぎたりしていました。また、5歳未満の3800万人が太りすぎです。
米国では格差が広がっていますが、低所得層ほど肥満率も高い状況です。子どもの約3分の1がふとりすぎや肥満といわれます。
理由は安価な甘い炭酸飲料やファストフードを食事としているので、肥満になるのですが、子どもにとって必要な栄養素が足りません。
2つの「飢餓」
飢餓には「突発的な飢饉」と「慢性的な飢餓」があります。
「突発的な飢餓」とは、干ばつや洪水などの自然災害、紛争などの突発的な原因によって発生します。
「慢性的な飢餓」とは農業の生産性が低い、雇用される際の賃金が安いという課題の他、不公平な貿易の仕組みなどで発生します。
突発的な飢饉は緊急に食料を支援することが必要ですが、ニュースで取り上げられることが多いため、世界中から注目が集まります。
慢性的な飢餓は政治、教育、環境などさまざまな要因が組み合わさっていることや、直接の死因が餓死ではなく栄養不足による病死であることから、緊急性に乏しく解決が後回しにされがちです。
私たちができること
世界の食糧生産量は、世界人口全員が十分に食べていける量があるにもかかわらず、様々な食糧問題が起きています。
日本の食料自給率は37%(カロリーベースによる試算・2018年)で海外から多くの食料を輸入しています。
食生活の変化から海外から大量に食品を輸入しながらも、日本では年間2000万トンもの食品廃棄しているのです。
私たちができること①
食材を買いすぎない、料理を作りすぎない、外食の注文をしすぎないなどを心がけ、食品を食べきることが重要。
日本の農業人口が減っています。原因は高齢化による次世代の担い手不足もありますが、消費者が安価な外国産の食べ物を選ぶため、価格が崩れ採算がとれない場合もあります。
私たち消費者は安価な外国産の食べ物だけでなく、国産の良質な食べ物を選ぶ必要があります。
私たちができること②
日本の農家を支えるために国産の食材を中心に購入しよう。
海外の飢餓については国の状況によって違うため、プロにお任せした方が良いと思います。
国連WFP(国際連合世界食糧計画)は2020年ノーベル平和賞に選定されました。
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