【ティール組織】ほとんどの仕事は恐ろしく退屈なもの?組織を「生物」ととらえる進化型組織【極端な平等はリスク】

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フリーランスとして生きているので「組織論に興味がないなぁ」と思っていましたが、ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現はとても面白い本でした!

著者のフレデリック・ラルーさんはマッキンゼーで10年以上にわたり組織変革プロジェクトに携わった経験を持つ方です。

「だんだんと、身体が大手企業を受付けなくなってきた。オレンジ型(達成型)企業と向き合うのが辛くなってきて」退職したそうです。

辞めた後は、大企業で働いてる人達のコーチングの仕事をしています。

ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現では組織の進化を5段階で表現をしています。

レッド(衝動型)・自我の確立・恐怖による統治・マフィアやギャング

アンバー(順応型)・集団の規模が全て・大規模な階層組織・教会や軍隊

オレンジ(達成型)・権威や伝統への批判・効率的で複雑な階層・多国籍企業

グリーン(多元型)・平等と多様性を重視・ボトムアップの意思決定・文化重視の組織

ティール(進化型)・個々が意思決定・全体性を重視・目的が進化する

私は会社や正社員、結婚や家族、地域コミュニティに所属していない方が、快適な生き方なのですが、「ティール組織」が本当に実現される社会が来るのであれば、私でも活躍できるかも?しれませんね笑

この本を読むと人によって刺さる言葉が違うと思います。

今回も壮大なテーマですがまとめたいと思います。

ほとんどの仕事は恐ろしく退屈なもの

ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現を読んで一番印象的だったのは「組織ピラミッドのトップを務めるのは、それほど充実した仕事ではない」ということです。

組織の底辺で骨身を削って働く人々を対象とする調査をすると「ほとんどの仕事は、情熱を向けるものでも人生の目的でもなく、恐ろしく退屈なもの」という結果となることが常です。

しかしながら「組織のピラミッドのトップ」でも同じことが言えるのだそうです。

著者のフレデリック・ラルーさんは人材育成のコンサルタントとして、15年間リーダーシップ研修を手掛けてきましたが、「組織ピラミッドのトップを務めるのは、それほど充実した仕事ではない」ということを発見しました。

身なりは立派で自信がありそうに見えても、大企業のリーダーたちの生活は静かな苦しみにつつまれている。とてつもなく活発な活動が、むなしい心の奥底を懸命に隠そうとするみじめな努力であることも少なくない。パワーゲーム、政治的な駆け引き、内部抗争が相次げば、だれもがまいってしまう。


引用:ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

「トップでも底辺でも、組織はエゴを追い求めるという終わりのない努力をする場になっており、人々の心の奥底に抱いている情熱を十分に発揮できない」なのだそうです。

これは大企業だけの問題ではなく、行政機関や非営利組織、医療などあらゆる組織でも言えることです。

組織の始まりから現代の組織

そもそも組織とはどう進化してきたのか?

人類は紀元前10万年〜5万年頃に家族などの血縁関係という小さな組織で暮らしいた。

せいぜい10数人で、自我は十分に形成されていない。

1万5000年前になると集団の規模も小さな家族から、数百人の人々で構成される部族へと拡大し、世界が神秘に満ち溢れているので、部族は儀式を行ったり、古老や巫女に従うことで安心を得ていた。

ここからがレッド(衝動型)組織の始まりとなるが、約1万年前に首長制と原始的な王国が生まれる。

人々は完全に自我に目覚めており「世界は危険で、力強さとたくましさがなければ自らの欲求が満たせない場所に見え、他者より強ければ自分の欲求を満たすことができる」

感情が十分に抑制できないため、暴力をふるったりすることで自分の欲求を表現し、他者の感情に気づかない状態です。

強力な上下関係が原始的な王国へと成長する、現代ではギャングやマフィアなどに見られる組織がレッド(衝動型)です。

レッド(衝動型)にとって最も重要なのは「今」で計画や戦略は得意ではない。内戦や国家の破綻などの混沌とした環境への対応力は高いが、安定した環境で複雑な成果を達成するには不向きです。

アンバー(順応型)は部族社会から、農業、国家、文明、制度、官僚制、宗教団体の時代へシフトした組織です。

人々は時間の流れを把握し、将来に向けた計画を立てることができる。農業で食糧に余裕が生まれ、統治者階級や役人、僧侶、兵士、職人に分配ができるようになる。

他者の感情や物の見方が理解できるようになり、自分の属する社会集団に承認され、受け入れられ、はじき出されないよう努力をする。

集団内の争いを避けるため、問題や間違いがあると、責任はたいがい外部に押し付けられる。アンバー(順応型)組織は、明確な縄張り意識があり、互いの境界線に目を光らせ、人々は必ず従わなければならない。

雇用は終身雇用が当たり前で、社会生活の大半は会社の周辺で営まれている。まさに日本の古い体質の企業の状態です。

レッド(衝動型)は自己中心的で、アンバー(順応型)は組織中心的の視点ならば、オレンジ(達成型)はすべての個人は自由に人生の目標を追求し、最も優れた者がトップに上がる実力主義です。

オレンジ(達成型)組織は基本的なピラミッド構造を残しながらも、複数の部門や職種にまたがる横断的な取り組み、専門的なスタッフ機能、内部コンサルタントといった、部門や階層に風穴をあけ、イノベーションを促す仕組みを持っている。

オレンジ(達成型)の成功が金銭と称賛で測られると、成長と利益だけが重要で、少数の最高経営責任者(CEO)が自らの報酬を引き上げ、自分たちに有利なルールを作り、税金を逃れようと各国の政府に働きかけ、がむしゃらに業界を支配し、取引先や顧客、従業員に対して権力を乱用する。

まさにアメリカを中心としたグローバル企業がオレンジ(達成型)組織です。

多様性と平等の尊重だけではうまくいかない

そこで新く登場した組織はグリーン(多元型)です。

オレンジ(達成型)アンバー(順応型)の絶対的な善悪を「成果があるかないか」という基準に置き換えていましたが、グリーン(多元型)「人生には成功か失敗か以上の意味がある」という考え方です。

オレンジ(達成型)の物質主義、社会的不平等、コミュニティーの喪失を否定し、グリーン(多元型)組織は「あらゆる考え方は等しく尊重され、公平、平等、調和、コミュニティー、協力、コンセンサス」を求めます。

グリーン(多元型)はオレンジ(達成型)の実力主義に基づく階層構造を残しているが、意思決定は最前線の社員に権限委譲をしている。

強烈な文化が形成されないと、権限委譲を前提とした組織をまとめるのは難しいので、人々の心を揺るがすような目的が必要です。

オレンジ(達成型)は組織を機械とみているが、グリーン(多元型)は自社を家族にたとえ「皆が一緒」「お互いに助け合う」「お互いのために存在している」という考え方です。

しかしグリーン(多元型)は「あらゆる考え方は平等に扱われるべきで、誰かが悪用してとんでもないアイデアを提案してきたときも、平等に扱わなければならないことになる」

多様性と平等の尊重を追求すると現実は回らず、権利の乱用が始まります。グリーン(多元型)は古い構造を壊すには強力な力を発揮するが、実践的な対案をつくり出すのは得意ではありません。

変化の激しい時代へ

これまで紹介してきたレッド(衝動型)アンバー(順応型)オレンジ(達成型)グリーン(多元型)の考え方の共通点は「自分たちの世界観だけに価値があり、ほかの人々は間違っていると考えること」です。

「自分の欲求を衝動的に満たそうとする状態を、うまく抑えられる慣行や仕組みを習得する」とレッド(衝動型)からアンバー(順応型)に移行する。

「自分の属する集団にの決まり事を拒否するようになる」とアンバー(順応型)からオレンジ(達成型)に移行する。

ティール(進化型)は「自分のエゴを一定の距離を置いて眺めると、その恐れ、野心、願望がいかに人生を突き動かしているかが見えて、支配したい、自分を好ましく見せたい、周囲になじみたいといった欲求を最小化する。」

私たちがエゴに埋没していると、外的な要因によって判断が左右されがちになる。

レッド(衝動型)は「自分の欲しい物を獲得できる判断が正しい」

アンバー(順応型)は「社会規範の順応度が重要」

オレンジ(達成型)は「効果と成功が判断の基準」

グリーン(多元型)は「組織への帰属意識と調和」

ティール(進化型)は「他人からの評価や成功、富、帰属意識を求めず、充実した人生を送るように努め、人生の究極の目的は成功したり、愛されることではなく、自分らしさを尊重して世界に役立つこと」

「恐れ」に置き換わるものは「人生の豊かさを信頼する能力」で生き方の本質は「恐れと欠乏感にまみれた人生か、信頼と潤沢に満ちた人生か」なのだそうです。

ティール(進化型)組織のリーダーたちは理想の職場のあり方として、家族とは別の比喩を使う。

組織を「生命体」や「生物」ととらえ、進化に向けてあらゆる知恵を働かせながら、生態系を維持している。

ティール(進化型)は下記の3つを重視している。

「自主経営(セルフマネジメント)」

階層やコンセンサスに頼ることなく、同僚との関係性の中で働くシステム

「全体性(ホールネス)」

誰もが本来の自分で職場に来ることができて、同僚・組織・社会との一体感が持てる風土や慣行がある

「存在目的」

組織全体が何のために存在し、将来どの方向に向かうのか常に追求し続ける

変化の激しい時代にはオレンジ(達成型)の「計画と予測」は機能せず、グリーン(多元型)の極端な平等主義は「袋小路にはまるリスク」があります。

ティール(進化型)は「目的のために進化を続ける組織」ことから変化の激しい時代に適していると言われます。

そう考えるとフリーランスで働いている私は「出世」や「マネジメント」を必要としない 「自主経営(セルフマネジメント)」で生きていると思います。

私にとってはグリーン(多元型)も気持ち悪く、さらに嫌いなオレンジ(達成型)が多いとことが現実でしょうね。

リアルなティール(進化型)はフリーランスの集団で作られたプロジェクトのような組織なんだと思います。

ひとりひとりがプロフェッショナルで、上下関係がなく、一体感が持てる関係性と、存在目的を認識できれば、「買い手よし、売り手よし、世間よし」の「三方よし」の仕事ができると感じました!

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