サラリーマンとフリーランスで私の仕事人生は25年くらいあります。
その中でも大きく影響を受けた企業が2社あります。
ひとつは新卒で入社した企画会社(正社員13年半)
もうひとつは初めての転職で入社した小売会社(正社員2年半、フリーランス2年半)
どちらもある意味過激な会社で(笑)
ブラック企業といえる企業でした。
しかしながら働く環境はどんどん変化していて
今の時代では許されないことも、20年前だと当たり前だったことがあります。
コロナショックによって働き方が大きく変化している今だからこそ
仕事とは?働くとは?考えたいと思います。
ブラック企業の定義とは?
厚生労働省では、ブラック企業について具体的な定義はありませんが、一般的な特徴を以下の内容をQ&Aで解説しています。
①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
ブラック企業あるある①「長時間労働について」
長時間労働は「ブラック企業あるある」のトップにあげられます。
なぜならブラック企業の特徴として、仕事の効率が非常に悪いからです。
業績を上げるためには根性・気合い・努力といった精神論が中心となり、そのしわ寄せは従業員にいきます。
私の経験ですが、長時間の会議をする社長がいました。
長時間といっても異常で8時間とか10時間、時には徹夜の時もありました。
その会議の生産性は低く、社長が一方的に話をし、従業員は受け身の状態です。
従業員は会議のために会議したり、資料を作ったり、
会議が終わった後はその会議を受けて実務を行うので、
定時で帰れることはほぼなく自宅で作業したり、休日出勤も当たり前です。
労働基準法では法定労働時間は週40時間、残業は月45時間が上限と定められており、これ以上の労働は違法になります。
管理職の場合は残業代が出ないこともあり「使いたい放題プラン」のように
時間の意識はないまま働かされていました。
当たり前ですが長時間労働だと仕事のパフォーマンスは下がります。
その会社では退職者が多く、中途採用者も1年も経たず辞めて行きました。
ブラック企業あるある②「パワーハラスメントについて」
ハラスメントは色々な種類のものがありますが
この概念が浸透したワードとしては「セクシャルハラスメント(セクハラ)」だと思います。
平成元年(1989年)に日本で初めて職場でのセクハラ裁判があって、世間に知られるようになり、新語・流行語大賞を受賞しています。
そして平成9年(1997年)の男女雇用機会均等法改正でセクシャル・ハラスメント防止措置の義務が盛り込まれました。
ハラスメントとは「弱い立場の相手に嫌がらせをする行為」のことです。
職場でのハラスメントとして一番多いのは「パワーハラスメント」だと思います。
私がいた会社では社長が役員や従業員に暴言を吐き、時には暴力をふるっていました。
暴言は能力的なことや身体的なことで「死ね」とか平気で言います。
暴力はモノを投げたり、壁を壊したり、男性の場合は叩かれたり、蹴られたりします。
その状況を見ても誰も止めることはなく、対象になった人を無能だと思う空気感もありました。
その企業はまるでカルト集団のようで、実際に自己啓発系の研修を強化していたので「社長はその人のためにしている」と思い込んでいる人もいたので、とても怖い職場でした。
ブラック企業という言葉がなかった時代は?
「ブラック企業」という言葉は2000年後半頃に、IT企業で働く人たちの間で、過酷な労働状況を自虐するネット用語でした。
一般的になったのは、2009年に映画「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」が公開された前後あたりだといわれています。
私が新卒で入社した企画会社は、今となればブラック企業といえる会社でした。
1994年に入社した頃はバブル崩壊の直後で、私の初任給が遅れるくらい低迷した会社です
社長は「定時で帰る人間はいらない」とか、深夜まで続く飲み会で「最後まで残った人間が本当の社員」といった考え方の人で
長時間労働が続き、病気になっても「熱があるくらいで休むな!」と怒られたり
仕事で失敗すると「朝まで説教」を受けるといったスパルタでした。
その当時は「ブラック企業」という概念がなく、とにかく無理をして働いていましたが心が病むことはなかったんです。
それは社長はスパルタでも、仕事でチャンスをくれたり、面倒を見てくれたり、未熟な私を根気よく育ててくれたからです(その当時はそこまで思っていなかったけど笑)だから13年半も働けました。
退社して10年以上経った今でも、お会いする機会がありその度に「初任給が遅れたのによく辞めないで働いてくれた」と感謝されます。
もうひとつのブラック企業では「予算が達成していないから給料遅延をする」と正社員のみならずアルバイトの給料を支払わなかった事がありました。
その社長は「罰として給料遅延」をしたのです。
同じ給料遅延でも社長の考え方は全く違いました。私は後者の社長の懲罰的なやり方がブラック企業だと思います。
おそらく高度成長期からバブル期の頃の方が「長時間労働」や「パワーハラスメント」はもっと酷かったのではないでしょうか?
それでも「ブラック企業」という言葉が生まれなかったのは、経済が拡大傾向で、企業も従業員を家族のように大切にして「終身雇用」を前提としていたからだと思います。
ブラック企業が生まれた背景として
バブル崩壊後の日本経済は長期の経済停滞に陥り、雇用情勢は悪化を続けました。
企業は効率性や生産性を重視するようになり、仕事のスピードも早くなっています。
それは職場の環境が変わったことも大きいと感じます。
私が新卒の時はポケベルでしたし、PCも携帯電話も会社に数台しかありませんでした。
その時の仕事の仕方は、人を介して電話で連絡を取ったり、取引先に訪問する事が当たり前で、メールもないのでFAXなどでやり取りをしていました。
だから人数も必要でチームワークが求められたと思います。
現代はテクノロジーが進化して、人を介する必要がなくなり、アシスタント的な事務作業は少なくなっています。
これまでの家族的な職場から、個人の成果を求められるようになってきました。
それでも日本特有の「村社会」の考え方から、新しい時代の働き方ができない企業が多く、年功序列が残ったまま「組織の常識」を押し付け、組織の和を乱す人を排除するといった風習がある中で、特に若手や中間管理職のメンタルが病んでしまうのは必然だと思います。
ブラック企業と言われる会社の社長は、サイコパス性が高い人が多いと思います。
私が働いた会社の社長は「中小企業で働く人は、生育歴が悪い人が多いから教育が必要」と本気で思っていました。
だから本人のために自己啓発研修を受けさせるといった意味不明な考え方でした。
ブラック企業でサイコパス社長の場合は、すぐに辞めることをおすすめします。
彼らに何を言っても一生理解できないので、時間が無駄です。
私の場合は無理をし続けたら眠れなくなり、心療内科に言ったら休職をするように診断されました。
その時の体験から「サラリーマンを辞めて起業しよう!」と決意したのですが、こちらに関してはまた記事を書きたいと思います。